【ベテラン美容誌編集】も驚いた最前線のたるみクリームって?
今月の殿堂コスメは、コーセーの「インフィニティ プレステジアス デュアル クリーム」

※ハリ・ツヤで立体感のある肌へ導く、ハナショウガ・タチジャコウソウエキス配合(保湿)テクノロジー
\ここがすごい/
1:上半顔と下半顔は構造も悩みも違う
2:筋肉と筋膜が〝たるみ悩み〟のキーポイント
3:肌が上がることで、どんな表情もより美しくなる
上半顔と下半顔の〝たるみ悩み〟は違うから別々にアプローチする2種のクリームが美をもたらす
SST(シミ・シワ・たるみ)の中で、化粧品として一番ハードルが高いのが、〝たるみ〟。そこに果敢に挑戦したのが、1月16日発売の「インフィニティ プレステジアス デュアル クリーム」(以下、「デュアル クリーム」)です。近頃目立つ各ブランドの高価格クリームや美容液は、〝どの悩みにも対応する〟オールマイティな製品が多いのです。しかし、このデュアル クリームは税抜き6万円で、〝たるみ悩み〟特化!これはもう、相当な自信があるとしか考えられませんね。
この製品、2つの異なるクリームが分かれて入っているんです。実際に使うと、額はクリームを塗った感に欠けると常々感じていたのに、上半顔用クリームの浸透感とツルスベ効果に驚き、下半顔用クリームの最初硬めでとろけて馴染む心地よさと滑りの良さ、顎下の引き締まった感を実感しています。
そもそも「インフィニティ プレステジアス」は肌のハリや〝たるみ悩み〟にまで対応するシリーズ。その緩みやたるみの原因となるSMAS(真皮の下・筋肉の上に存在する筋膜)に着目した「SMAS R ビルド テクノロジー」を共通搭載しています。中でもデュアル クリームの特別感は、なんと言ってもセパレート・クリームであること。全顔でなく部分特化した美容機器が登場した頃、改めて自分の顔悩みを考えてみると、顔の上と下って顕著に違う、だったら対策も違うはずだけど、全顔用というリフトコスメはその悩みに応えているのだろうか?――そんなコーセー社員たちの美容談義から開発がスタートしました。
上半顔は前頭筋と皺眉(しゅうび)筋のような大きな筋肉でできています。そのため力が入りやすく、スマホやパソコンを長く見ていると眉間に力が常に入ってしまい、神経伝達物質「アセチルコリン」が送られ続けます。そのことによって筋肉の収縮が常態化し、表皮が引っ張られて横ジワができ、皮だるみしたように見えてしまいます。対して下半顔は、細かく分かれた多くの表情筋でできており、加齢によって筋肉が衰えるのは体も顔も同じで20代~30代をピークに低下。筋肉が支えていた肌(脂肪層)の重みを支えられなくなります。だからこそ別々にケアしなくてはいけないのです。
デュアル クリームのアッパーゾーン クリームは、アセチルコリンを抑制するために「アセチルヘキサペプチド-8」を配合。これは筋肉硬直を緩和し、シワやたるみを改善するボトックスをヒントに開発された成分です。また、ロウアーゾーン クリームは必須アミノ酸「BCAA」の中のバリンを配合。筋肉の50%はタンパク質(アミノ酸が連なったもの)でできており、筋肉を構成する必須アミノ酸の中でも重要で35%を占めるのは、体内で作られない分岐鎖アミノ酸であるBCAAです。どちらもシリーズ共通の肌の奥まで届ける浸透促進のオイルを使い、二つのテクスチャーは部分ごとの使用性に応じて変えています。額に対してはすばやくなじみ、硬直を緩和させるように、柔らかく、使用後に前髪がベタつかず、黄ぐすみを払うようなパールを仕込んでいます。一方、頰は感度が高いので粘性ではなく、バターが溶けるように心地よい柔らかさやなめらかさを重視し、タイトニングを感じるものにしました。
ここまでも千本ノックのような研究所とのやりとりが行われ、後は順調にいくかと思いきや、二つの質感の違うクリームを容器に詰めることがさらに大問題。同時に充填するのはまず無理で別々に入れることになったものの、硬さのあるロウアーゾーン クリームがうまく入らず「軟らかくしてもらえないか」という工場側の注文まで。しかし製品開発サイドとしてはこのテクスチャーは譲れず、何度も調整をし、他の製品よりも手間をかけてやっとクリア。心折れることの連続を経て、通常の開発期間の2倍をかけ、デュアル クリームは完成しました。
しかしこれほどの苦労をしたのに、一度たりとも、成分を全部混ぜてオールマイティな一つのクリームにしようとは思わなかったのが驚きです。人間の顔の表情は一瞬たりとも止まっていません。澄ました顔だけでなく、笑ったり困ったりする全ての瞬間が、肌がちょっと引き上がるだけでより輝く。そのために「本当に効果のあるものって何だろう」というぶれない信念のもと、徹底してこだわり抜いた野心的名品だと思います。
\使っています♡/

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2022年『美ST』4月号掲載
撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子