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【五目野菜炒め】岩室純子さん(87歳)が60年以上作り続けた秘伝のレシピ

長年、料理の仕事に携わってきた〝ばあば〟のレシピには、知恵と工夫と愛情がいっぱい。あわただしい毎日を送る美ST世代に伝え遺したい、とっておきのひと皿を教えてもらいました。

今日の長生きレシピは、岩室純子さんの「五目野菜炒め」

東京・高田馬場の中国料理店「餃子荘ムロ」で、60年以上、鍋を振り続けてきた岩室純子さん。突然の病(現在は回復)を機に現場を退いて以来、厨房に立つのは、およそ1年ぶりになる。「病気は世代交代のいい機会でした。厨房にいると、どうしてもあれこれ言いたくなっちゃいますから(笑)。伝えるべきことは伝えたから、あとは好きにやってくれたらいいと思っています」

ピカピカに磨かれた火元まわり、整然と並ぶ調味料などを見ても、純子さんのていねいな仕事ぶりが受け継がれていることがわかる。「料理にも私なりのこだわりはありますが、それは経験で培ったもの。特別な修業をしたわけではありませんから、他のお店とはやり方が違うかもしれません」

シンプルな「五目野菜炒め」にも、長年の経験と知恵が詰まっている。例えば、にらは真ん中のおいしいところだけを使うこと。卵は溶きすぎないこと。油には少しごま油を混ぜること――。

「炒める時間は1分くらいであっという間ですが、焦りは禁物。鍋に油を熱したところに溶き卵を入れ、周りが膨らんできたらひと混ぜ。もやしを加えて、熱が通ったところでひと混ぜ。にらを入れて、またひと混ぜ。残りの材料をすべて加え、熱して、鍋をあおる(上下を返す)のを3回繰り返して終わり。何度もかき混ぜたり、鍋をガチャガチャ動かすと、せっかくの熱が逃げてしまうし、野菜から水分が出てしまいます。炒めものは、『ゆっくりパッパッ、お静かに』が基本。この方法なら、家庭用のコンロでも、力のない女性でもおいしくできるので、みなさんも、ぜひ作ってみてください」

10歳で終戦を迎え、19歳から昼はOL、夜は父が東京・高田馬場に開業した中国料理店「餃子荘ムロ」で働く。その後家業に専念し、66年7カ月にわたり鍋を振り続け、2021年に勇退。2013年からDJ SUMIROCK名義でスタートしたDJ活動は現役で、2019年に最高齢のプロDJとしてギネス認定。新宿歌舞伎町のクラブ「DecaBarZ」などで活躍中。

材料(1人分)

にら……1/2束
もやし……2/3袋
卵……1個
きくらげ(水で戻したもの)……1つかみ
カニ(缶詰)……適量
塩……ひとつまみ
ラー油……適量
五香粉……適量
油……大さじ2

作り方

① にらは50℃くらいの湯で洗い、7cm幅のざく切りにする。もやしは洗ってザルに上げ、水けを切る。
② 卵は白身を切るようにほぐす。中華鍋を強火にかけ、油を熱し、煙が出始めたら溶き卵を加える。
③ ひと混ぜしたら、もやしを加えてひと混ぜし、にらを加えてもうひと混ぜ。すぐに、きくらげ、カニを加え、塩を振って、急がず静かに3回ほど鍋をあおって(上下を返して)仕上げる。
④ 器に盛り、ラー油を回しかけ、五香粉を振る。

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2022年『美ST』5月号掲載
撮影/合田昌弘 取材/伊藤由起 編集/小澤博子

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