松嶋菜々子さんが落ち込んだ時に夫がかけた言葉とは?

その顔立ちと表情、立ち居振舞いから仕草に至るまで、つい見入ってしまう美しさを放ち、ひとたび話し始めると鈴を転がしたような美声に惚れ惚れ。伝説のドラマ「家政婦のミタ」から10年経っても、あの演技が脳裏に焼き付いて離れない比類なき女優・松嶋菜々子さん。これから迎える50代、どう過ごしていきたいかお話を伺いました。

どう望むか、より、どう波に乗るか。人生修行の気持ちで挑戦し続けたい

お話を伺ったのは……女優・松嶋菜々子さん
「50代に向けて、自分を労わりつつ、無理しすぎない範囲でさらに運動量を増やして、もっとハードなトレーニングをしなきゃ」
《Profile》
'73年神奈川県出身。'96年NHK連続テレビ小説「ひまわり」のヒロインに抜擢され、'97年『恋と花火と観覧車』で映画デビュー。以降、映画、ドラマ、CMなど話題作に多く出演。映画『リング』『ホワイトアウト』『眉山』『祈りの幕が下りる時』など、ドラマは大河ドラマ「利家とまつ」「魔女の条件」「救命病棟24時」シリーズ、「やまとなでしこ」「家政婦のミタ」など。
今年1月〜3月に放送されたドラマ「となりのチカラ」では、遊川和彦監督から「いつもの常識と真逆に」とリクエストされ、自分には全くない要素を引っ張り出しながら取り組みました。これまでは台本を読むと1回で役作りができたのですが、今作は迷いながら、家でも身振り手振りを練習したり、ボイスレコーダーに声を録って聞いてはやり直して。かなり苦労した役作りなのに、やり始めたら楽しくて「こういう楽しみ方もあるんだ」と初めて思いました。同時期に撮影したMatt化したUber EatsのCMも面白くて、今後はそんなふうに楽しんで作り込めるお仕事もしていきたいですね。

今までと異なる路線のお仕事って、振り返ると定期的に今回のような波が来ていました。自然と寄せる波もあれば求めることで来る波もあった。たとえどんな波が来てもその波に対してどう向き合って消化するかを大切にしてきました。唯一、自負していることは、新しい波が来て難しいと感じても妥協することなく全力を尽くすこと。振り返った時に後悔はしたくないから、常にやり切って修行のつもりで挑戦してきました。

年齢を重ねると振り返ることが多くなりますよね?たとえばあの時にもっとやりようがあったと思ったとしても、必死に考えてできる限りのことをしていたなら、自分の中で納得がいく。いつも引きずるものが何もなくスッキリ消化して、次へと向かってきました。その積み重ねが今の私です。

将来、これをやりたいと望むより、目の前のことを1つ1つ一生懸命やることで、その次の世代では何が見えて、何が起こるのかと楽しみにしています。30代を必死で頑張ったから、40代の今があり、40代もやりきるからこそ、50代はもっと楽しめる未来が待っているはず。新しい挑戦をしているかもしれないし、ふわふわと生きているかもしれませんが、それはそれで受け入れていきます。とはいえ、結構落ち込みやすくて、ディープに落ち込むだけ落ち込んだ時は、静かに上がるのを待つほうなんです。心が傷ついたら、考えても解決しないことが経験としてわかっているので。

ある時、落ち込んでいたら、夫が「夜は考えないで寝たほうがいい。明日改めて考えたら?」とアドバイスをくれて以来、寝ちゃうようになりました。他にも助けられたことが何度かありましたね。体が少しだるくてジムに行くより寝ていようかなって時も「行けば気持ちいいよ。元気になる。送ってあげようか?」って言うので「送ってくれるなら行こうかな」と、ジムで汗を流すと、明らかに元気になれて、やる気も起きた。そこで「帰りも迎えに来てくれる?」と頼むと、「自分で帰って」と言われたりもするんですけどね(笑)。

家族って有難いし助けられています。子供も手がかからなくなってきた年齢とはいえ、もうしばらくは子供の予定を最優先するつもりです。とはいえ、夏休みはまだ無計画。大抵がその時の思い付きで行動するのと、地方にも家があるので、そこを拠点に年に数回の小旅行へ行くことが最近は多いです。これから迎える50代は、家族や大切なスタッフたちと楽しみながら歩んでいけたら嬉しいですね。
「更年期に関する記事を見かけると必ず目を通します。運動が症状を軽くするそうなので、それを励みに体を動かしていきたいですね」
《衣装クレジット》
ニット¥59,400、スカート¥93,500(ともにハーヴェル スタジオ)ピアス「ナクレアス ピアス」[18KSG×あこや真珠]¥764,500、リング「オーロラ リング」[18KSG×あこや真珠]¥314,600(ともにTASAKI)パンプス¥92,400(ジミー チュウ)

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2022年『美ST』10月号掲載
撮影/中村和孝 ヘア・メーク/面下伸一 スタイリスト/大沼こずえ(eleven.) 取材/安田真里 編集/漢那美由紀
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