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藤崎奈々子さん(45歳)が初めて語る、電撃デビューから芸能活動休止に至るまで

日本中から愛される人気タレントになった藤崎奈々子さん。人気絶頂のとき、かわいいニコニコスマイルの裏側には私たちが全く知らなかった顔がありました。多忙のあまり心身ともに衰弱し、テレビの中の満面の笑みとは裏腹、仕事以外では笑顔を失っていたのです。そんな過去の辛い経験を20年以上経った今、心底自然体で輝く笑顔で包み隠さず話してくれました。

《プロフィール》
1977年12月19日、北海道生まれ。短大在学中に芸能界デビュー。マツモトキヨシのCMで注目を集め、その後、数々のCMやテレビに出演。多数の番組でレギュラーを務める。現在はテレビ出演の仕事のほか、アロマテラピー検定1級やアロマテラピーアドバイザー、アロマブレンドデザイナーなどアロマの資格を複数持ち、化粧品開発を手がけるなど多方面にて活躍中。

人生が変わった、マツモトキヨシさんのCMオーディション。今思うと、失礼な若者だった

芸能界に入ったきっかけは、高校生の頃にアルバイト感覚で雑誌『Cawaii!』の読者モデルをしたことでした。そのときにご縁があった芸能事務所から、短大生になったときに「アルバイトをするならタレントにならないか」と誘われ、右も左も分からないままアルバイト感覚で芸能活動を始めました。

テレビのお仕事で最初に受けたオーディションがマツモトキヨシさんのCMでした。当時は学生で遊びたい盛りだったし、先約で友達との予定が入っていた私は、事務所に「その日はオーディションに行けません!」と最初はお断りしたんです。母から「先に約束をした方との約束は必ず守りなさい」と常日頃懇々と言われていたので、その教えを守らないと! と(笑)。でも、そこはお仕事だから、と事務所に説得され(笑)、結局オーディションに行ったんです。
私は先に約束していた友達との予定のほうに早く行かなければと、オーディション中もソワソワ。審査員の方に「喜怒哀楽を表現しながら『マツモトキヨシ』を4回、言ってみてください」と言われ、「マツモトキヨシ」と4回唱えて、そそくさと退出。その足で友達のもとへ。今思えば、ちょっと失礼ですし、おかしいですよね。でも、何年か後にそのオーディションの審査員の方に再会した時に「あんな子は他にいなかった!忘れられない、と思って決めたんだよ」と教えてもらって。このマツモトキヨシさんのCMで、私の人生は大きく変わりました。

2、3時間の睡眠に、働きながらの短大通い……頭の中は「とにかく眠りたい」ということしかなかった

お仕事が一番ピークで忙しかったときは、ドラマにバラエティーの収録、その合間の時間で雑誌などの取材を受けて。収録が終わるのが真夜中なんて、ざらにあることでした。急いで家に帰って寝て、そして早朝からまた別の収録や撮影をこなし、お昼には生放送の「笑っていいとも!」に出演したり。毎日、睡眠時間は2、3時間でした。毎日毎日、とにかく眠りたかった。自由にゆっくり眠りたい、ということで頭の中はいっぱい。目の前にお布団があったら1秒で寝られる自信がありました(笑)。

そんな多忙な芸能生活を送りながら、短大にも通っていました。短大入学当初は「短大生活は遊ぶぞー♪」なんて意気込み(笑)、1年生のときに単位をせっせと取っておいて、2年生は心置きなく……♪なんて計画していたのですが、2年生になったらスケジュールは全て仕事で埋めつくされました。仕事をしながら短大にも通うというのは本当に大変でしたが、友人たちが応援してくれて、いつも私の心の支えでした。その頃の友人たちとは、歳を重ねて生活も環境も変わった今でもすごく仲良しで。穏やかで優しいみんなと、今でもランチをしたり飲み会をしたりしています。そんな時間が私にとってはかけがえのない時間です。

夫と出会ったのは、20歳のとき友達の繋がりで

当時、事務所からプライベートに関する制限はあったのですが、無視していました(笑)。夫とはそんな頃、20歳のときに出会いました。友達に誘われて月島のもんじゃ焼き屋さんに行ったら、そこに彼がいて。私は友達と別のお店でお酒を飲んだ後に合流したので酔っ払っていて、友達と楽しくおふざけモード。私自身はよく覚えていないのですが、彼に出会った瞬間、いきなりラリアットを仕掛けたみたいです(笑)。彼にしてみたら最初の出会いが散々だったのに、当時のことを今でも笑って話してくれるんです。そのたびに、いつも優しいなあ、と心の底から思います。
出会った当初はそれぞれ彼氏・彼女がいたので、まさかこんなにずっと一緒に人生を共にする相手になるとは思ってもみませんでした。

心身ともに限界が来て、2012年に芸能活動を休止。これが人生の転機になった

その後も仕事は増える一方で、1日2、3時間睡眠の生活がしばらく続きました。そしてある日、ついに限界が来たんです。あれほど眠りたい、眠りたいと思っていたのに、お布団に入るとなぜか逆に寝られなくなってしまう身体。「明日、朝早くから収録や撮影があるのに。早く寝なくちゃ」と思えば思うほど眠れないループにますますハマり、心身ともに蝕まれていきました。ほぼ寝ていない状態で仕事に行くと収録中にウトウトしてしまうこともあって、衰弱した私を見かねたスタッフさんが優しい気遣いをしてくださったり、周りの演者の方も心配してくれるほど。仕事の関係者の方々には、本当にご迷惑をおかけしていました。

身体の不調はさまざまなところに表れました。蕁麻疹、肌荒れはもちろん、気管支炎、扁桃腺炎になることもしょっちゅうで、病院で処方された吸入器を常に持ち歩いていました。ハードな収録、撮影で視力も落ちました。精神的にも疲れきって、イライラしやすくなり母にあたってしまうこともしばしば。家族にも迷惑と心配をすごくかけました。

そのうち、自分の中で本当に限界を感じ、2012年に芸能活動を一旦お休みする決断に至りました。その後2年間は好きな旅行を月一でしたり、ゆっくりと時間をかけて自分を取り戻していく中で、今の事務所とのご縁をいただいたり。このお休み期間が私の人生の転機になりました。

インタビュー第2回は、人生の転機を迎えた後、自分らしく心地よい生活を送っている藤崎奈々子さんの今の日常を。自然な笑顔が絶えない旦那さんと、かわいい猫ちゃんとの生活を語ってくれました。

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撮影/杉本大希 ヘア・メーク/コンイルミ(ROI) 取材/関根実凡 編集/永見 理

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