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【連載小説】TOKYO「白肌」恋物語④ 頼もしすぎる年上男性は頑張ってきた自分へのご褒美!? 温泉旅行で透子の恋は急展開

美しい肌は人生さえも変えてくれるの? ふとしたきっかけで使い始めた美白コスメをきっかけに始まった、43歳シングルマザー・五本木透子の「2度目の青春」ラブストーリー。

前回までのあらすじ
五本木透子は高校生になる娘・心白(こはく)を持つ43歳シングルマザー。素直に気持ちを伝えてくれる年下男子・四ッ谷くんとの出会いにより、透子の恋心にも火がつきかけていた。さらに、頼もしく成長した幼馴染の八代くんから、35年越しに告白されることに。


第4話 シミウスと恋の露天風呂

「ママって臆病なのか大胆なのかときどきわかんなくなる」

心白が言う。

「あのヒュー・ジャックマン味あるオジサマ何者?
とかいろいろ言われたんだから」

心白のバスケットボール部、最後の試合。

一緒に行きませんか? と声をかけたのは
可愛い年下男子の四ッ谷くんでも、
35年越しの告白をしてくれた八代くんでもなく、
二階堂さんだった。

友人の紹介で知り合った二階堂さんは、
笑うと深くなる目尻のシワが優しい48歳。
透子と同じバツイチだけど子供はなし。
都市開発を手がけるメガデベロッパーの部長職にある彼には
いつも大人の余裕を感じる。

透子が忙しくて返事をしてなくても、責めることなく定期的に穏やかなメールをくれる。

そんな彼につい

「バスケットボールの試合って興味あります?」

と聞いてしまったのだ。

試合の前日は念入りにシミウスのジェルでマッサージ。
使い始めた3カ月前より、ワントーン明るくなって
フェイスラインもキュッと引き締まった感じがする。

久しぶりに会うママ友に驚かれるかもしれないと思うと
自然と口角も上がる。

試合は惜しくも負けてしまった。

娘の頑張る姿に涙があふれた。

そっとハンカチを出してさりげなく背中をトントンしてくれた
大きな手の感触にホッとしてさらに号泣してしまった。

こんな風に誰かに包まれるような安心感は久しぶり。

二階堂さんと一緒にいると
心にひたひたと人肌のお湯が満たされてゆくような心地よさ。

仕事では敏腕なやり手らしいのに、透子の横では源泉掛け流しの温泉みたいな人。

人生の後半戦、ともにするのならこういう人がいいのかもしれない。

帰り道、駅に向かう途中で

「今度、温泉に行きませんか?」

と二階堂さん。

温泉に誘われた! なんて言ってる場合じゃない。

まだ3回しか会ったことないのに急展開過ぎない?

ドギマギしていると

「もしよかったら心白ちゃんも一緒に。バスケお疲れ様でした会、やりましょう。
もちろんお部屋は別々ですから」

二階堂さんの笑いジワがどんどん頼もしく見えてくる。

心白は意外にもすんなりOKと言ってきた。

きっと二階堂さんが予約してくれた宿が
憧れの予約が取れない温泉旅館だったせいだろう。

迎えに来てくれたのは紺のラグジュアリーカー。
車の運転がうまくて車内でかける音楽も趣味がいい。
パーキングエリアや道の駅でバック駐車する時、
助手席でキュンとするなんて何年ぶりだろう。

今年は梅雨が長くて夏が短くて、山に上がっていくと一気に空気が秋に変わるのが分かる。気の早いハナミズキやプラタナスが色づき始めている。

人はキレイなものを目にして真っ先に思い浮かべる顔で
自身の気持ちのありかを知る生き物だ。

相変わらず「いっしょにいたい」と言ってくれる四ッ谷くん?

カッコよく成長した幼馴染の八代くん?

頼もしさがあふれる二階堂さん?

43歳・バツイチの恋はややこしくて面倒くさい。

宿について3人でひととおり館内を探索したあと大浴場へ。

大浴場の大きな鏡で見る自分の顔が
やっぱり3カ月前とは大違いでうれしくなる。

家以外の鏡や照明で見る顔がキレイと思えたら変化はホンモノだ。

女性の肌は使っているスキンケア製品らしい肌になってくるらしい。

私はどう? シミウスの肌になれている?

鏡をのそきこんでいるところで
年下の女性に話しかけられた。

「お肌がおキレイですね! 何を使っていらっしゃるんですか?」

心白とお風呂に入るのは何年ぶりだろう。

「オジサマ、意外にありかも。ママも今そう思ってるんでしょ?」

図星過ぎて返事ができない。

「今夜気を利かせようか?」

「なに、馬鹿なこと言ってるの」

お風呂上がりに3人で夕焼けに染まる日本庭園を散歩する。

夕食のメニューを予想し合ったり、二階堂さんが池の鯉の品種を教えてくれたり。
彼は何か言うとまず「そうだね」「すごいね」と受け取って聞いてくれるから
心白もすっかり心を許していつになく饒舌だ。

夕食は渓流が望める二階堂さんのお部屋で。

季節の野菜をふんだんに使った炊き合わせやお豆腐料理、山の幸の八寸に土瓶蒸しやキノコの発酵鍋、鹿肉のジビエにムカゴや銀杏、山菜が入った秋の実ご飯。

「眠くなったから先に部屋に帰ってるね。ママ飲み過ぎないでよ」

心白の声を聞いて少し酔いがさめる。

「心白ちゃんはしっかりしてるね」

二階堂さんが新しいグラスにお水をついで
透子のほうに置いてくれる。

「ホント、親が頼りないと子供ってしっかりするのね」

「そんなことないよ。透子さんは頑張っている。だから娘さんがこんなにいい子に育っているんだよ」

「二階堂さんは、ずるいです」

「何が?」

いつもは柔和な顔がちょっぴり曇る。

そんな顔をさせて申し訳なく思う一方で、意地悪なことを言って
困らせてみたい透子もいる。

「ずるいです。母としての私も弱い私もまるごと認めてくれるから。ずっと誰かに言ってほしかった言葉をくれるから」

二階堂さんがお水ではなく、冷酒をくっと飲んで
浴衣の合わせを直す。

「口にするのはちょっと早いと思ったんだけど、思い切って言いますね。
結婚を前提にお付き合いしていただけませんか」

冷酒の酔いが一気にまわる。

「お母さんとしての透子さんも、これまで生きてきた時間も全部含めて、透子さんが好きです」

「僕も若いころは相手と張り合って自分の理想に当てはめようとして、ちょっとでも違うとイライラしてました。でも透子さんとは美味しいもの、キレイな景色、楽しいこと、日常の些細な幸せを共有して笑い合って生きていきたい、生きていける、そう思うんです」

「ごめんなさい。この言葉は欲しかった言葉じゃなかったかもしれませんけど、今の僕の正直な気持ちです」

透子の部屋の前でそう言って「おやすみなさい」と二階堂さんは帰っていった。

部屋では心白がスマホを手にしたまま熟睡していた。


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文/笹行あや香 
小説家。大学卒業後、女性月刊誌ライターを経て作家に転身。複数のペンネームで美ST世代を主人公にした小説や、エンターテイメント系のコラムなどを執筆。美STには男性アイドルのカバーストーリーを寄稿している。現在、長編恋愛小説に取り組む。

撮影/須藤敬一 ヘア・メーク/SATOMI スタイリスト/Toriyama悦代(0ne8tokyo)

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