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【連載小説】TOKYO「白肌」恋物語〈最終話〉 40代シングルマザーに突如訪れた恋の四角関係、透子の出した結論は?

美しい肌は人生さえも変えてくれるの? ふとしたきっかけで使い始めた美白コスメをきっかけに始まった、43歳シングルマザー・五本木透子の「2度目の青春」ラブストーリー。

前回までのあらすじ
五本木透子は高校生になる娘・心白(こはく)を持つ43歳シングルマザー。経済力と包容力を兼ね備えた男性、二階堂から、娘と3人で出かけた温泉旅行の夜に結婚を前提とした交際を申し込まれる。無邪気な好意を寄せてくれる年下男性の四ッ谷、たくましく成長した幼馴染の八代、大人の余裕で包み込んでくれる二階堂。物語の最後に透子が選んだのは?

 


 

最終話 シミウスと運命のフワラーベース

ママ、昨日わたしが寝たあと、二階堂さんに何か言われたの?

心白には朝から質問攻めにあったけれど、

その話はあとで、

とはぐらかして
3人でオーベルジュのオーガニックフレンチへ。

無垢の床、イエローがかった漆喰。ヴィンテージの家具や照明。
中庭に見えるオリーブの木は透子のキッチンにあるものの5倍はある。

挨拶に来てくれたオーベルジュのオーナーから名刺をいただく。

(結婚を前提にお付き合いしていただけませんか)

(お母さんとしての透子さんも、これまで生きてきた時間も全部含めて、透子さんが好きです)

昨日の言葉がフラッシュバックして
朝から二階堂さんの顔をまともに見られず、
名刺に書いてある名前をじっと見つめていた。

顔は見られないけれど、目の端っこで彼の手だけを追う。

二階堂さんは食事を口に運ぶと必ずナイフとフォークを皿に置く。
その仕草が落ち着いている。

透子は昨夜も今朝も食べ過ぎたせいか、
胃の手前で野菜がつっかえて落ちていかない。

そんな母を心白は横目で見ながら笑いをかみ殺して
器用にカトラリーを操っている。

味もわからないまま、デザートが運ばれるころ、

後ろから「透子さん」と聞き覚えのある声がした。

振り返ると八代くんだった。

「透子さん、どうしてここに?」

八代くんによると、
ここのフレンチレストランで出している野菜農家から
自分も仕入れたいと、
わざわざ連絡先を聞きに来たらしい。

「こちら、小学校からの幼馴染の八代くんです」

「はじめまして」

どことなく緊張感のある雰囲気にいたたまれず、
透子はお手洗いへ立った。

そこに立ちはだかったシルエットーーー
華奢で頭がうんと上のほうにある。

四ッ谷くんだった。

「透子さん、どうしたの? 昨日からなんども連絡してたのに」

「そうだったの? ごめんなさい。ぜんぜん見ていなくて」

透子の心で渋滞していた3人がここでリアルに渋滞するなんて。

処理が追いついていかない。

いったん、落ち着こう。

化粧室に入って真鍮の枠に入った鏡に顔を映してみる。

昨日の温泉効果もあるけれど、肌が内側から発光しているようだ。
なめらかな感触。何度触っても新鮮で驚く。

自分の肌は少し前まではこんなじゃなかった。

シミウスを使い始めてよみがえった口元、頬の潤いとハリ、目の輝き。

この肌があれば、どんな修羅場が来ても大丈夫。

いや、この肌のおかげでこんな状況になっているのか……。

何だかおかしくて笑ってしまう。

化粧室を出ると四ッ谷くんがさっき挨拶したオーナーと握手を交わしていた。

「サトル、ずいぶん久しぶりじゃないか。来るなら連絡しろよ」

サトル? どういうこと?

「おやじ、老けたんじゃないか」

「お前こそ、もうそろそろ青二才を卒業しろよ」

透子はオーナーからもらった名刺を見直した。

ネットで調べた四ッ谷くんの実家、
大手繊維メーカーYOTSUYAの社長の名前だった。

テーブルでは二階堂さんと八代くんの会話に挟まれて

心白が無になってオレンジジュースを飲んでいる。

ちょっと待って。この混戦、どうやったら決着する?

「とりあえずよろしかったら、みなさんも一緒に食事しませんか?」

二階堂さんの提案で四ッ谷くんもテーブルにつく。

(この人、誰?)

四ッ谷くんがLINEで、八代くんがメッセンジャーで聞いてくる。

穏やかな日曜の13時半。

テーブルには梨のティラミスとジェラートと新栗のミルクレープ。

甘いデザートにビターな展開。

奇妙な四角関係、一歩手前の緊張感。

年齢も職種も違う、本来なら出会わないであろう
男3人の探り合いが続いている。

八代くんが有機野菜について語っている。

二階堂さんが

「うちで開発している街のメインビルに青空市場を開きたい」

と提案して男たちが意気投合している。

「このテーブスクロスもナプキンもぜんぶうちのものなんです」

四ッ谷くんが言う。

うちの? 

世界中を旅したいって言っていたのに、
すっかり会社を継ぐ気になってる。

透子はナプキンでそっと唇をぬぐう。

半年前はこんな風に男の人に見つめられることなんてなかった。

あったとしても日々しぼんでいる自分の顔に自信が持てず、

うつむいてばかりいた。

堂々と視線を受けられる43歳でいられる自分が不思議でもあった。

モテ期が来たようでちょっぴり浮かれて、

久しぶりに恋に悩める自分が新鮮。

でも……。

今は思う、誰と幸せになろうかな、なんて考えなくていいのかも。

人生は恋愛だけじゃない。

そして、自分を幸せにするのは自分しかいない。

その自信を今はシミウスと肌が後押ししてくれている。

今、急いで何かを決めなくてもいいんだよ、と。

そう思いながら透子はゆっくり紅茶の香りを吸い込んだ。

「じゃあ、僕は透子さんと心白ちゃんを送っていきますから」

二階堂さんが助手席のドアを開ける。

八代くんは白のジープに野菜を積み込みながら透子を手招きする。

「今度会った時に言おうと思ってたんだけど、
透子さん、本格的にインテリアの勉強してみない?」

「私が?」

「うちの店の内装、評判がいいんだよ。何人もからインテリアコーディネーターを紹介してくれって言われてて」

ちょっと考えてみるね、と返事をして紺のセダンに乗り込む。

四ッ谷くんはカスタマイズされたハーレーから手を振って去って行った。

「ママはどの助手席か後部座席を選ぶの?」

心白が後部座席から透子の頬を手ではさんだ。

東京に戻ると季節が少し進んでいた。

心白の朝練用のお弁当作りにかわって、塾用のお弁当を作り、
インテリアコーディネーター講座のテキストをめくる日々が始まった。

2週間後の休日は透子のバースデイ。

朝、3つの花束が届いた。

二階堂さんからのカードは
「建築コンサルとして独立するから秘書として来てくれませんか」というメッセージが。

四ッ谷くんからは
「ちかいうちに四国へ行こうよ」

八代くんの花には
「勉強はかどってる?」。

3人のメッセージも初めて見た筆跡も
どれも彼ららしくて一生懸命で、それぞれの花束の表情に似合っている。

ふとキッチンを見るとオリーブの木が引っ越してきてから30cmも伸びていた。

透子はその隣にベランダで育てていたメビウスを置いた。

ふっくらして愛らしい葉っぱ。

メビウス=無限の可能性。今の透子にはそれも似合っていると思える。

3つの花束、どこに飾ろう、と部屋を見渡す。

家には大きな花瓶が1個しかないけれど。

花瓶を買いに街に出かけた。

通りがかったギャラリーで繊細なガラス細工のフラワーベースが目に入った。

透明感のあるグリーンで丸いフォルムにうっすらストライプが入っている。

「こんにちは。こちらの花瓶って・・・」

奥にいた男性が振り返った。

優しげな目元、口元から顎にかけて伸びた髭。

視線が絡み合い、透子は呼吸が止まる。

思わず、頬に手がいく。

大丈夫。昨夜、シミウスのジェルで丁寧にマッサージしたから

今日の肌も私の味方だ。

ゆっくりと男性が近づいてくる。

透子は笑顔で彼の声を待った。


 

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文/笹行あや香 
小説家。大学卒業後、女性月刊誌ライターを経て作家に転身。複数のペンネームで美ST世代を主人公にした小説や、エンターテイメント系のコラムなどを執筆。美STには男性アイドルのカバーストーリーを寄稿している。現在、長編恋愛小説に取り組む。

撮影/須藤敬一 ヘア・メーク/SATOMI スタイリスト/Toriyama悦代(0ne8tokyo)

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