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【獣医さんに聞きました】愛猫が健康で長生きするために飼い主ができること

ペットは大切な家族の一員。だからこそ、病気や怪我をせず元気に長生きして欲しい、そう誰もが思うはず。大切な愛猫がいつまでも元気で長生きするにはどうすればいい?みんなが知りたい疑問や質問を獣医YouTuberとしても活躍する獣医さんに聞きました。

大切な愛猫がもっと健康で長生きするために、現役獣医さんに相談しました!

写真/にぼし @shirasu_nya

飼い猫は、若いうちから最低でも一年に一回、できれば半年に一回は病院に連れて行って健康チェックをしてもらうのがオススメです。猫は捕食動物なので、具合が悪くても弱っている姿を見せない習性があります。弱ったり、明らかな症状が出てから病院に行ったら手遅れになっていた…という場合も少なくありません。また、「猫はお金がかからない」という認識で飼う人が多いという話を聞くことがありますが、猫の寿命が年々長くなっている分、高齢化による病気も増えています。健康維持や治療のための医療費や薬代もかかり、また、獣医が推奨するフードを与えるなど、それなりにお金はかかるもの。その覚悟を持って飼ってほしいです。

病院で飼い主さんからよく受ける質問があることに気づき「獣医YouTuber」が必要だと思ったのがきっかけ。生まれたときから猫を飼う家で育ち、現在はぶんざえもんくんという猫を飼っています。今までにバズったのは「噛み癖について」と「毎日のごはんについて」の動画。

Q. 初めて猫を飼います。最初に気を付けることは何ですか?

A. 外に出すのは避ける、温度管理に注意。

外飼いは極力避けましょう。感染病や虐待、変なものを食べるなどトラブルが多いです。また、温度管理も注意してください。人間がちょっと暑いと感じているとき、猫はとても暑く、ちょっと寒いと感じるときはすごく寒い状態です。

Q. 6、7歳で人間の年齢でいう40歳くらいになります。高齢猫として最初に気を付けるべきことを教えてください

A. 病気が出てきたり中年太りしだすのでフードの切り替えが大切です。

10歳以降は歳をとって痩せていくので元に戻す必要があるなど、適切なフードを選んでもらうためにも獣医さんに診てもらうようにしましょう。

Q. お風呂に全然入れていないのですが大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。

猫は綺麗好きなので基本入れなくてOK。お風呂はストレスになる子が多いので、嫌がる場合はストレスをかけないことを優先すべし! ただし、高齢の猫になると関節炎により自分で手入れできない子もいるので、その場合はブラッシングして清潔に保ってあげましょう。猫が嫌がらないことが一番大事です。

Q. 食べさせてはいけないものはありますか?

A. たくさんありますが、玉ねぎやぶどうなどが有名です。

玉ねぎやぶどうは食べない猫が多いですが、「他の食べ物と匂いが一緒になる」ことでうっかり食べてしまう場合が。以前、ステーキの上に乗っている玉ねぎを食べてしまった猫を診たことがあります。

Q. 人間の食べる魚や肉はあげても大丈夫?

A. 食べさせていいですが量に注意。

例えば猫がマグロのお刺身を1切れ食べた場合、人間が10切れ(1柵)食べたのと同じと考えるとわかりやすいです。量は少なめに。

Q. 猫も運動は大事?どんな運動がいいですか?

A. 運動はとても大事で、特に上下運動をさせてあげてください。

猫にとっては「高いところに行く」ことが重要です。ただ、老猫になると8割が関節炎になり高いところに登れなくなるため、段差をつけてあげてください。また、猫はヒョウやライオンを見てもわかるように”短距離タイプ”なので、短い時間で数回遊んであげるのがいいでしょう。例えば1日に15分を4回など。エンジンがかかるのが遅い猫もいるので「うちは遊びたがらない」と諦めず遊んであげてください。

Q. 毛のメンテナンスを教えてください

A. ブラッシングはもちろん、アンチノールというサプリメントがオススメです。

アンチノールのサプリメントは、皮膚や被毛、腎臓や関節にも良く、動物病院にて取り扱っているアイテムです。獣医さんに相談してから飲ませてください。

Q. 目ヤニや耳掃除は必要ですか?

A. 基本的には必要ないです。

通常必要ないはずなので、気になるほど汚れるなら病院で診てもらいましょう。少し汚れが気になったときに軽くふき取る、くらいはぜひしてあげてください。

Q. フードはウエット、ドライどちらがいいですか?

A. どちらでもいいです。どちらも食べられる方がいいですね。

諸説ありますが、水分補給もできるウエットと固形、どちらもあげた方がよいと思います。いろいろ食べさせていないと、老猫になったときに獣医が勧めるフードの形態を受け付けないことも。また、フードはどこのメーカーがオススメか聞かれることが多いですが、やはりデータがしっかりと獣医の元に送られている「ロイヤルカナン」と「ヒルズサイエンス・ダイエット」は、動物病院でも販売しているので勧めています。また、「猫が患いやすい腎臓病予防のため」に、腎臓病になった猫用のフードを与える人がいますが、栄養バランスが偏ってしまうのでやめましょう。

Q. 日常で気を付けることはありますか?

A. 突然、大幅な模様替えをしたり、猫が愛用していたものをいきなり断捨離したりしないでください。

突然環境が変わると、大きなストレスになる場合があります。新しいグッズを買っても、しばらくは古いものも残しつつ新しいものに慣れさせてあげてください。

Q. 診察がスムーズにいくコツはありますか?

A. キャリーバッグは上下がかぱっと外れるものだとケージに入れたまま施術ができます。

動物病院に飼い猫を連れて行くのは大変だし、億劫なことだと思います。嫌がる子も多いので、キャリーバッグを普段から家に開けたまま置いておき、お気に入りの場所にするなど工夫してみてください。

Q. 歯磨きの方法は?

A. 歯周病も予防できるブラッシングが一番。

ブラッシングはなかなかうまくできないので、段階を経てブラッシングできるよう取り組んでみてください。また、口腔ケアグッズはたくさんあって何がいいのかよく聞かれますが、VOHC(Veterinary Oral Health Counci)が推奨する商品は安心だと言われています。VOHCのサイトにあるリンクに推奨商品が英語で記載されています。

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2021年『美ST』11月号掲載
撮影/熊木 優(io) 取材/味澤彩子、中田ゆき、稲垣綾香 編集/千田真弓 モデル(猫)/にぼし @shirasu_nya

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