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飲めない人も飲まない人も楽しめるノンアルコールペアリング|都内の名店3選

コロナ禍によるアルコール自粛の影響や、美容と健康のために「あえて飲まない」人が増えている今、レストランでもノンアルペアリングがブームです。食事の風味を引き立てる中国茶やフレーバーティなど提供されるドリンクは様々。そんなドリンクとのペアリングをコース料理とともに楽しめる、都内のレストランをご紹介します。

五感を刺激する最先端フレンチに中国茶主体のペアリングが新鮮

ここ数年、世界的な高まりを見せているノンアルコール・ムーブメント。飲酒を否定するというより、自分の心と体の声を聞き、飲む・飲まないを自由に選ぶ人が増えてきたというイメージだ。レストランでも、ワインの代わりにノンアルコールドリンクと料理を合わせて提供する「ノンアルコール ペアリング」が話題。さて、今夏オープンの最旬レストランでは?フォーシーズンズホテル丸の内東京のフレンチレストラン「セザン」は、英国出身の若きスターシェフ、ダニエル・カルバート氏を招聘。ロンドンを皮切りに、ニューヨーク、パリ、香港と、美食の都で研鑽を積んだシェフの料理は、緻密にして軽やか、そしてチャーミングだ。例えば、取材時に登場した「有明山農場美膳軍鶏のポシェ」は、中国・江南料理の〝酔鶏(酔っぱらい鶏)〞をイメージしたユニークな一品。やわらかく茹でた純国産血統の鶏を、紹興酒ならぬヴァン・ジョーヌ(イエローワイン)で1週間マリネし、ジロール茸(杏茸)のムースとともに、トリプルコンソメをかけて仕上げる。合わせるドリンクは、雲南の山深い地で採れる希少な天然プーアル茶「大雪山野生茶」を水出しで。軍鶏と茸の豊かな香りに、スモーキーな茶のフレーバーが絶妙にマッチし、清々しい余韻へとつながる。茶は単品でもオーダー可能だが、「ノンアルコールペアリング」の場合は、料理に合わせて5種類前後の中国茶や、ハーブブレンドティーが登場。フレンチと茶の融合を、とことん味わってみては?

上:「有明山農場美膳軍鶏のポシェ ヴァン・ジョーヌ 杏茸」と「大雪山野生茶(天然プーアル茶)」の組合わせ。発想は中国、味わいは王道フレンチ。

ランチ ¥12,018/ディナー ¥30,993+ノンアルコール ペアリング ¥10,120 ※すべてサ込

デザートの前に登場するレモンのグラニテ。キュンとした酸味のレモンカードが爽やか。こうした小さな一皿にかける手間ひまがうれしい。

この日のデザートは黒イチジク。コンポートの下の緑はイチジクの葉のパウダー。中は、ココナッツのソルベやメレンゲ、イチジクのジャム、ココナッツのババロアが層になっている。

お茶は毎日店内で水出ししている。左から、大雪山野生茶、凍頂烏龍茶、樹齢100年超の老木から採る古樹銀針、スパイシーでほのかに甘いハイビスカス茶。

フォーシーズンズホテル丸の内東京 SÉZANNE(セザン)
東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内フォーシーズンズホテル丸の内東京7F ☎03-5222-5810 営業時間 ランチ12:00〜13:45、ディナー18:00〜18:30(ともにL.O.)月・火曜休業

出汁×素材×自家製ドリンクが生み出す相乗効果に期待

日本橋室町の「平ちゃん」は、ミシュラン1つ星のフレンチ「ラペ」の松本一平シェフが手掛ける、イノベーティブなおでんの店。年に一度の限定イベントとして新年に登場していたおでんのコースが評判を呼び、姉妹店として独立となった。シェフを務めるのは、松本シェフの右腕として働き、和食経験もある根内大和さん。松本シェフの実家(和歌山「おでん割烹 平ちゃん」)の味である、鰹節、昆布、白醤油の出汁をベースに、フレンチの技や素材も取り入れながら、創意工夫にあふれたコースを提供する。合わせるノンアルコールドリンクは、自家製のコンブチャや、柑橘を効かせた甘酒、フレーバーティーなど、こちらも個性豊か。出汁と素材、ドリンクの組合わせがどんな相乗効果を生むのか、乞うご期待だ。

上:スルメイカと里芋のおでんに合わせるのは、アールグレイをベースに桃を加えた自家製コンブチャ。発酵の旨みとほのかな酸味が、出汁の味を引き立てる。

ランチ ¥4,950/ディナー ¥9,900+ノンアルコール ペアリング ランチ ¥3,080/ディナー ¥4,950

春巻きには、出汁の浸みた大根と塩麹に漬けた豚肉がゴロッと。ドリンクは八海山の甘酒に柚子を搾って。

王道のつくねとつみれ、にんじんと新ごぼうのきんぴら入りがんも、黒米入りのこんにゃくのおでんには、カシスフレーバーのグリーンティーで華やかに。

平ちゃん
東京都中央区日本橋室町1-12-10 J1B.L.D.G B1 ☎050-3623-1723 営業時間11:30〜13:00、18:00〜20:30(ともにL.O.)木曜休業

ナチュラルな魚料理に寄り添うティーペアリングの余韻

国内フレンチの最高峰のひとつ、「カンテサンス」でスーシェフを務めた根本憲一さんが、満を持して開いた「ネモ」。釣り好きのお祖父様の影響で幼少期から自然と触れ合い、魚に親しんできたシェフならではの、魚料理を主体とするフレンチだ。素材となる魚介類は、シェフが信頼する漁師さんから直接届き、それに合わせてメニューが決まる。ノンアルコールドリンクは、ワインと同様にテロワールからこだわり抜いた、日本茶や中国茶、国産ハーブティー。自然と人が織りなす、純度の高い美食の世界を堪能したい。

上:白身の魚ウメイロ(神津島産)は、知る人ぞ知る美味魚。さっとポアレしホタテ貝柱と赤ワインのソースで。水出しの「東方美人」の発酵香と甘みが魚の繊細な旨みに沿う。

ランチ ¥7,150/ディナー ¥16,500+ノンアルコール ペアリング ランチ ¥3,200/ディナー ¥4,600

穴子(対馬産)のベニエにマカダミアナッツをまぶして。宇治のかぶせ茶「さえみどり」はやや高温で抽出。そのカテキンが油のキレを促す。

デザートはバニラの泡をまとったアツアツのトマトとメープルのアイスクリーム。繊細で力強い風味の国産ハーブティーとともに。

NéMo(ネモ)
東京都港区南青山6-15-4 B1 ☎03-5962-6085 営業時間12:00〜13:00、18:00〜20:00(ともにL.O.)月曜休業(祝日の場合は営業、翌火曜休)

※各店の営業時間、定休日は平常時のものです。詳しくは各店にお問い合わせください。

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2021年『美ST』11月号掲載
撮影/合田昌弘(セザン)、田村浩章 取材/伊藤由起 編集/伊達敦子

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